ここ半年ほど座りっぱなしの生活が続いているせいかちょっと走ったり、重い物を持つだけでも体力や筋力の衰えを感じます。
しかし体の見た目は依然と変わらない。
そう思って安心していたら、実は体の筋肉にも「質」があり、筋肉の量は変わらなくても質が低下することで運動機能が低下するということが最近注目されています。
しかも筋肉がいつの間にか脂肪や水分に変わっている可能性があるのです!それはマズい。
今回は筋肉の質の見極め方と脂肪に変わってしまうメカニズム、運動機能を維持するために日常からできることをご紹介します。
目次
筋肉は髪の毛ほどの細胞から成り立っている
筋肉は髪の毛ほどの太さの筋線維という細胞が束ねられてできています。
今までは足腰の衰えは筋肉の量が減ることが原因と考えられてきたのですが、最近の調査で見た目の筋肉量はそれほど変わってないのに「階段の上り下りがつらい」「わずかな段差でつまずく」など体の変化を訴える人が増えてきたことが判明したようです。
つまり筋肉の量ではないところにこういった運動機能の定価の原因があるのではないか、ということですね。
よくよく考えてみても、「今まで使っていた筋肉を最近は使ってないのに、見た目ではあるように見える」というのは不思議でした。
筋トレをしていたり、力仕事をしていた時の見た目とさほど変わらない腕周りのなのに、最近はいざ重い物を持つと苦しい・・今まではもうちょっと余裕だったのに。ということは皆さんも経験があるのではないでしょうか。
これが最近になってスポーツ科学の分野でも判明してきたということですね。
また順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科先任准教授の町田修一さんの話では、座っている時間が長い・運動不足の女性では30~40代から質低下が認められる、とのことです。
ここでは男性については述べられていませんが、私も30代に入ってより筋力の維持が難しくなった気がします。
筋肉の質低下を見極めるテスト
では実際に自分の筋肉の質が低下しているか調べてみましょう。
調べる方法には「椅子立ち上がりテスト」があります。
①座面の高さが40センチメートルほどの椅子に浅く腰掛ける
②腕を胸の前で組み、片足を少し上げる
③反動をつけずに一本の足だけで立ち上がることができるか
これが左右ともできれば問題なし、しかし左右いずれかができなければ「筋肉の質低下が始まっている状態」と考えられるようです。
筋肉の質の衰え方
また筋肉には2種類の筋があります。
①姿勢を保つなど持久力を発揮するときに使われる赤筋
②立ち上がったり階段を上がったり瞬発力が必要なときに使われる白筋
この赤筋・白筋の衰えにより筋肉の質低下には2段階あります。
普段から運動をしないでいると、まず白筋が細くなり、筋力の衰えにつながる。
その後に赤筋など筋肉全体に及ぶと、筋肉の質はさらに低下するということです。
つまり先ほどのテストは白筋の衰えをテストするものだったんですね。
私はまだ大丈夫でしたがみなさんはいかがだったでしょうか。
このテストでちょっと怪しい方はすでに赤筋も衰え始めているかもしれません。
見た目が変わらない原因は「筋線維のすき間に水分・脂肪が詰まってしまう」から
赤筋・白筋が細くなると筋肉を構成している「筋線維」が細くなったり失われたりしています。
すると、筋線維の束にすき間ができてしまい、そこに水分や脂肪、結合組織などが詰まってしまうことが起きるようです。
これが「筋肉の太さは一見変わらない」という現象を引き起こしているんですね。
何となく筋肉が脂肪に変わってるんだろうな、と思っていましたがメカニズムが分かってちょっとスッキリしました。
ちなみに筋肉を押してみると以前より筋肉のハリがなくなっていることがあるようです。
んー確かに以前より柔らかくなったでしょうか。
おわりに 筋肉の質を維持する為には「少し背伸びをしている」運動が良い
ご紹介した筋肉の質低下を食い止めるには、ご自身にあった少し負荷がかかる運動が良いようです。
つまり普段からウォーキングをしている人が同じウォーキングを続けても質は変わらず、ちょっと負荷を与えるべきで、全く運動しない人は階段の上り下りから始めると良い、などご自身がちょっと頑張ったかな?くらいの運動が筋肉の質を維持・改善するために良いようです。
これからは「身体の見た目が変わらないから大丈夫」と安心するのではなく、普段の体の動きをチェックして筋肉の質が低下してないか確認することが大切ですね。
質が変われば体脂肪の減少にも効果があるかもしれません。
毎日の生活にちょっと負荷を与えて習慣にするのも良さそうです。
本日もご覧頂きありがとうございました。